2025年12月09日

下京区のいせき歯科クリニックです。
12月に入り、今年も残りわずかとなりました。
寒さが一段と増してまいりましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
今年最後のテーマは上下接触歯列癖(TCH:Tooth Contacting Habit)です。
上下接触歯列癖をご存じですか?
普段、何もしていない時に「上下の歯がずっと触れている」状態になっていませんか?
一見すると問題がなさそうですが、歯や顎に負担をかける原因になる“悪いクセ”の一つです。
本来、私たちの上下の歯は会話するとき、飲み込むとき、食事をするとき以外は触れていません
安静時の正しい状態は
→上下の歯が1〜3mmほど離れている「安静空隙(あんせいくうげき)」があることです。
しかしTCHのある方は…
- 仕事中やスマホ操作中
- テレビを見ている時
- 緊張している時
- うつむいている時
など、無意識に歯をカチッと接触させ続けています。

参照)歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本より
どうして問題なのか
TCHは「くいしばり」や「歯ぎしり」に比べて弱い力なので、続けていても筋肉や顎の関節への弱い疲労感を感じる程度です。そのため、長時間にわたり行われている可能性があります。
結果として、以下のような症状が起こる原因の1つである可能性があります。
- 顎の疲れ・痛み(顎関節症の原因に)
- 歯や歯肉の痛み
- 被せ物・詰め物が壊れやすい
- 歯がしみる(知覚過敏)
- 舌・頬粘膜の誤咬
- 咬合の違和感
TCHをやめるには
TCHは意識づけのトレーニングでコントロールしやすくなります。

- 「歯を離す」を思い出す習慣をつくる
家の中に「歯を離す」「リラックス」「力を抜く」などのメモを見える場所に貼る。 - 顎の力を抜く
メモを見たときに自分のTCHを確認して、脱力することを繰り返す
上下接触歯列癖は“気づかないうちに歯や顎に負担をかけてしまうクセ”です。
放置すると痛みや歯のトラブルの原因になる一方、意識することで改善できる習慣でもあります。
当院では、TCHのチェックや改善アドバイスも行っています。
気になる方はどうぞお気軽にご相談ください。
この一年、いせき歯科クリニックをご利用いただき、心より感謝申し上げます。
忙しい時期は生活リズムが乱れやすく、お口のトラブルも起こりがちです。
どうぞ無理をなさらず、体調とともにお口の健康も大切にお過ごしください。
来年も皆さまの笑顔づくりに寄り添える歯科医院でありたいと願っております。
